畳の歴史1



日本の文化は、中国大陸からの伝承をもとにしたものが多いのですが、畳 (たたみ)は日本民族の生活の知恵が生み出した固有のものであり、湿度が高く、天候の変化が激しい日本の風土で、「敷物」として育てられ、伝承されてきました。


 瑞穂(みずほ)の国にふさわしく、いなわらを利用して床をつくり、インドより伝わった野生の「いぐさ」を改良栽培して畳表(たたみおもて)を織り、 「畳」という素晴しい敷物をつくりあげたわけです。


 明治以降の急速な文明開花の時代にも、畳は日本の住まいの敷物として重要な役割を果たしてきました。


 フローリングの質が上がり、フローリング施行工事価格が安くなるに従って畳の部屋がなくなりつつありますが、自然素材としての畳の良さはいまだもって健在です。


 「畳」の文字は、古事記や日本書紀、万葉集などに「管畳」、「皮畳」「絹畳」といった記述で登場しており、当時は、こうした敷物の総称で、畳める (たためる)もの、重ねるものの意味を持っていました。


 折り畳自転車の畳にこの文字が使われるのも理解できるでしょう。

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